Cry For The Moon 7「批評へ、あるいは Let's swim to the moo.../佐々宝砂
 
ているうちに、なんとなーく曖昧になら、「批評」とは何かという問いに答えられるような気がしてきた。批評は、たぶん、「感想・紹介・添削(または技術論)・観賞」のすべての要素を包括しうるもので、さらにそのうえを超えてゆくものなのだ。では、いったい、どのように超えればいいのか? たとえば高橋源一郎は以下のように言う。

「ある本について論じるということは、その本にはこんなことが書かれていました、それに対してわたしはこういう意見です、と書くことではない。ある本について論じる、ということは、その本が世界の他の本とどう違うのか、違うとしたらどこなのか、について書くことなのである」(高橋源一郎『文学なんかこわ
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