狐の嫁入り/宙空 心
 
君は僕をほったらかしにして
傘ひとつで何処かへ行った
そしたらその後虹が出て
慈(めぐみ)の雨が空から降った

雨なんていらないから
僕と一緒にいてよ


君にわかる筈がないんだ
残された僕の気持ちなんて
君の姿は見えるのに
瞳を開いても君はいない

もういる筈もない君に
僕の気持ちは囚われたままで
それでも諦めきれなくて
心の鎖は取れなくて

なんで傘ひとつで
何処かに行ってしまうんだよ
お願いだから降らないで
君の姿を隠さないでよ

濡れた頬に
光が射して
雲の隙間に太陽が覗く
背中しか浮かばない
傘を差した君の姿

青く綺麗な
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