インターネットの閉鎖性 1/いとう
 
 インターネットが現在の詩の状況に光明をもたらすとは、じつは
露ほどにも思っていない。何らかの状況変化が起きるとは思うが、
それが「光明」であるとは限らない。インターネットほど閉鎖的な
媒体はないと感じることが常々ある。

 ここでA氏という架空のキャラクターを立ててみよう。彼(彼女)
は詩を好み、自分でも手慰み程度に書く。書店や図書館で詩集を探
し、詩誌も読み、投稿したことも幾度か。このように、かなり積極
的に詩に携わるタイプとする。さて、このA氏、最近ネットで詩に
関する活発なやりとりが行われていると耳にする。ホームページを
作り自作の詩を載せることもできる。気軽に発表でき
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