消印のない空/
まほし
絵葉書の端からおしゃべり零れ出す「暑中お見舞い申し上げます」
目標は銀河で泳ぐことだからヒマワリ君とは背比べしない
窓辺にて涼む巻貝ひとさじの碧い潮鳴りおみやげにした
風鈴の池でうたたねする金魚チリンと浮かぶうたかたの唄
シャッターの瞬きさえもすり抜ける発泡性の夏の鼓動は
大輪の花火さんざめく街でみんな笑って咲けますように
消印のない空をきみに届けたい いつもどこかで想っているから
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