消印のない空/まほし
 
絵葉書の端からおしゃべり零れ出す「暑中お見舞い申し上げます」



目標は銀河で泳ぐことだからヒマワリ君とは背比べしない



窓辺にて涼む巻貝ひとさじの碧い潮鳴りおみやげにした 



風鈴の池でうたたねする金魚チリンと浮かぶうたかたの唄



シャッターの瞬きさえもすり抜ける発泡性の夏の鼓動は



大輪の花火さんざめく街でみんな笑って咲けますように



消印のない空をきみに届けたい いつもどこかで想っているから










戻る   Point(19)