虹繭/
大覚アキラ
生暖かい夜の隙間に
逃げるように滑りこんで
私は膝を抱えて
じっと息を潜める
爪先のあたりから
半透明の白い繭が
私の躯をゆっくりと
覆っていくさまを思い描く
膝の裏とか
指の間まで
丁寧に隙間なく
白い繭で覆っていく
きれいな硬い繭ができあがる頃
射抜くような朝日が
私の繭に一瞬の虹を描く
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