世界<貴方/Keico
 
どれだけ殺戮のニュースが
唄うようにテレビからながれてきても

私はこうやって
貴方のことしか書けないのです


道路がゆらゆら揺れても
しばらくすると白く染まっていきます

扇風機も埃をかぶって
物も言わず大人しく眠る日もすぐ来ます


いくら葉が落ちようとも
いくら芽を吹こうとも

私はこうやって
貴方の連絡を待つしかないのです

まだまだちっぽけな私は
こんな世の中でも
貴方を想うことを最優先してしまうのです


そうしてまた
貴方の名前が映る画面を見て
深い海の底に届けと言わんばかりの
溜息を吐くのです
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