美視中/秋也
 
き上がれない肉体を自由に使い
来る
来る
そうだ
僕は生きる限り
彼とあの日の夕焼けを見る
ほらさっそくチョコレート味の甘い夕焼けが眼前に広がった
皆が僕を見る
あの日の夕焼け
今日の遺体
焼かれては
白骨で
骨壷に収められた
世界は
赤がなく
闇しかないから
彼が皆以上に寂しがる
今度は僕が
闇を切り裂く番
そう順番
笑顔で全てに勝ってやる
今、棺の中で彼が笑った
今度は目をしっかり開けて
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