夏の宵に/朽木 裕
 
い、泣いた

あぁ、そうか

熱をおしてまで手伝いにきた君に
私はなにも出来なくて


私は

なにも

出来なくて


どうしたら人並みになれるだろう
どうしたら普通に生きていてもよい?

考えても答えは否ばかり
足手纏いでも何も出来なくても生きてていいよね?

誰も私を殺しはしないのだ
言葉と心以外では


大丈夫だよ
いつも見てる俺が云うんだから信じていいよ

大丈夫


頭を撫でるてのひらがいつもより
少しだけ熱くて

また涙が出た

私、この人のために生きていたい
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