【短歌祭参加作品】ゆめのなかのこいびとたち/ピッピ
 
回る惑星のように海岸沿いはまぶしく


雲に乗ってバルブ回せばさあ、僕ら濡れれば弱る夏(夕立)の奴隷


白桃を剥けばあの娘の真白いリコーダを吹く僕がうまれる


あの夏(花火)は何座、あの夏(花火)は何座ってもう戻らない星座はつづく


真夜中に老人ホームに向かうバスたましいなんかを黙って見てる


当たり前に海のある風景の中で夏(半裸)の君と全裸の僕と


ピストルが二回鳴ってた、さあ行こう足跡のまだない街角へ


夜に食う夏(すいか)の種を弾く爪も離れた時間知っていたんだ


祝いたい今年も夏が来たことを 直立の僕らに日光を燃やし


フィラメントは夏(青)くはじけて夏は夢 醒めても夢はつづく、と云った



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