僕のハチドリ/昏(ヤッカ)
 

あのハチドリの夏を思い出してみる。
誰もいないブランコ。
懐かしいプールのにおい。
今にも切れそうなゴムとぜんまい。
偽造された空を
どこまでも飛んでいった
僕のハチドリ。

君はいつかひょっこりと戻って、
新しいキッチュなハミングをきかせてくれる。


「探してください。」って家出した
僕のグラスホッパー。
折り紙入れの中や
ぽっかりと空いた愛らしい土曜日
いつもの文房具屋なんかを探したけど
君は見つからなかった。
寂しがり屋のグラスホッパー。

僕がいつか見つけだして
濡れた体を乾かしてやって
君の冒険の話をずっときいてやる。


さよなら、さよなら
孤独な日々に染みこんでみる
さよなら、さよなら
空の絵を描くよ
僕は頭が悪いから
空を偽造することしかできない。
ハローきこえる?
だけど絶対あえるから
僕らは熱でつながってるから。

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