モエソビレ/クリ
「なんだかんだあってさ」 に紛れ込ませ
て
しがらみと 怨みの 染み込んだ枕に沈めて
は
あなたの中心の傷口がいとおしい素振り
で
僕は太陽系でいちばんの作り笑いをしてみせるのだ
ためらわれる いくつかのエリア
古い家には古い人が住み続け住み残り住み惑い
抗うその都度 襞を伸ばしてみようとする
子供がどの指で約束するのか 覚えていない
深い夜には感応不能が澱み続け澱み残り澱み惑い
揮発性の 心の舫い
断腸や慟哭そっちのけで義務的に 記入する
痛みの理由や涙の粘り気 麻痺する行程
「行ったり来たり」して 結局は元に戻る
が
居心地のよさが人生の目標 だというばかり
に
あなたの汚穢が可愛げだという信仰心
を
僕は21世紀始まって以来の大芝居で披露する
と
冷たい記憶には
鉄サビの味が刺激し刺激し続け
ぬるい希求の底には
羊水が漏れ
僕
は
あなた
は
生き
生き続け
生き残り
生き惑い
Kuri, Kipple : 2002.05.24
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