お風呂と食事のあいだ/山内緋呂子
 

私はガラスで確認した。
多毛の動くこけしと、スプリング付きジョニー・デップのような彼がいた。
19:00頃銀座を歩くと
きちんと整った巻き髪の、 美しい女の人が
どんどんどんどん歩いてきて
日本アカデミー賞授賞式みたいだった。
あの頃感銘を受け、
渋谷も新宿も 銀座にしてしまおうと、赤いじゅうたんを持ち歩いていた。
友達がいなくて、じゅうたんの上を歩いてくれたのは、喜捨だ。

お風呂から上がり、
はーうぃと会うのはもうやめようと思った。
はーうぃはごはんをたくさん食べ、
いつか私に「くわせろ」と言うんじゃないかと、五回食事に行ったけれども

目の前に出されたものをきっちりと食べ
ないものは願わない。

会わないのはストイックだろうか?セミストイックぐらいか、いやもっと小さい。セサミストイックだ。


おいしそうだ。










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