突発即興詩会ログ(17/07/2006)/遊羽
 
即興詩会(17/07/2006)
順番:沼谷香澄→松本卓也→遊羽→沼谷香澄(敬称略)

「嘘と本当」/松本卓也

ただ少し距離が離れた
瞬間に君が放つ音の無い言葉
抱き合った温もりさえ
何処か遠くに飛んでいく

春が過ぎても
梅雨が運ぶ雲も
照りつける陽射しも

まるで他人事のように
運んでいく風の向こうで
僕らが抱いていた夢は
黄砂に吹き飛ばされて
消えて行くものだと告げていた


あの日以来涙もなく
淡々と流れる日々が
時折雷鳴を伴って
僕の側に落ちても

悲しみなんて忘れたフリをして
笑い出した道化に許されたのは
あの日告げた真実の密度
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