うろたへる詩人/三州生桑
と読み、二階の男が一階の奥さんと不倫する話しなのかと思ってゐた。
ここ数年、ウエイトトレーニングとジョギングは欠かさない。
夏になるとプールに通ふから、今は真っ黒に日焼けしてゐる。
今日のやうにタイトジーンズをはき、タンクトップを着て街を歩くと、女性の視線を往々にして感じる。
そしてゲイの視線も・・・。
見た目は売れないホストかも知れないが、私は詩人だ。
私は、本を読む女性が好き、私の詩を理解してくれる知的な人が好きだ。
この女の子は可愛いけれど、好みのタイプとは懸け離れてゐる。
デートしても、全く話しが噛み合はないだらう。
「今、白鯨を読んでるんです」
「吐くゲエ?」
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