雑踏に沈む/
紫音
パズル模様の石畳
規則正しい正確さの不安
ここに立つこと
そこに座ること
ただ
例えば同化してゆく空気のように
例えば水平線に溶けてゆくように
深呼吸をして 吸い込む青空に
眩暈を覚えながら手を伸ばす
陽光を掴む手のひらに
明日の記憶が射し込んでくる
感じる足音のリズムに
少しとまどいを
思い出したその風景に
少しの躊躇いを
いま ここにいる
ただそれだけが
背の高い木に問いかける
詠まれた想いは
いつ昨日になるのか と
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