女という未知/きりえしふみ
女は宛ら 一室の部屋だ
好きな男好みに 設(しつら)えられた
日々模様替えする 夜々配置換えする
九十九を過ぎた婆さえも 「あれまあ不思議!」と云うような
女は部屋の 一室である
想い人あらば その戸、頑なに閉じられ
想い人欲しくば それと無く 戸締まりを忘れる
ような その部屋
女と言う者は そのように
宵待草宛らにいて 純真に
恋を待ち構え 咲いている花のようである
女は宛ら 花のようである
太陽のあなたを目指しては 伸びをする花のようだ
顧みてやらねば しょ気て
振り返れば にこにこしている
(但し それは愛する男に限る)
飴だけやっても 高飛車になる
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