我を忘れて/bjorn
ひとりごとを呟きながら
誰もいない部屋に戻り
今日会った人のことを思い
誰かの気持ちを推し量って
どうでもいい話を熱心に聞いて
そんな日々を繰り返して
グラスに浮かべた氷が
琥珀色に溶けあい音を立て
ゆらめく小さな焔が
いくつもの影をおどらせる
ゆっくりと世界は遠のいて
雨の音だけが親密で
ねぇ、どうして?
聞きたいことと伝えたいこと
今でもたくさん残っているのに
まだ何も言っていないのに
あなたはもうその先を見ていて
私だけ取り残されて
いつも誰かを求めているの
いつも欲しいものがあるの
あなたのような気がしただけ
それを与えてくれるのが
夢を見ていたかっただけ
過酷な日々から抜け出して
ただ我を忘れて
あなたに溺れてみたかっただけ
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