女子高生/三州生桑
白さうに笑ってゐる。
私は、その質問を無視した。
ああ、そうですよねえ、と勝手に何か納得してゐる。
「今、自動車学校の帰りでえ・・・」
彼女は、益体も無いことをポツリポツリと話し始めた。私は生返事で応へる。
ルームミラーに映る彼女を観察してみる。
この娘は、誰かに似てゐるな。
テレビを全く見ないから、芸能人には疎い。誰だっけ?
「ケータイの機種変したいんだけどお、もうバッテリーがあ・・・」
口紅の色は薄いが、グロスでつややかに光ってゐる。
「焼けてますねえ。もう海に行ったんですか?」
「いや、プール」
「海に行きたいなあ。去年は一回も・・・」
ああ、あのフィギュアスケ
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