ヴィクトール(一つの)/
静山和生
水の泡立ち
ゆれる音数の高さに
ふれない
内省が速すぎる帰路の
足もとに散り敷かれるアヴェロン
一瞬の戴冠をとらえた口の渇 き
蜘蛛は黙さなければならない
張り巡らされた糸のしなやかな微動
太陽の 惨散とした日々を待つことは
楽しいだろう
「おお、そ れ
無音の実をつけた
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(1)