砦/暗闇れもん
 
一人布団の中で

胎児のようにまるく
怖いものから隠れるように

窓の外では遠くの夜の祭ばやしが
細く、けれど決して途切れず手招きしている

ますますしっかりと布団を抱き寄せ
耳を押さえ続ける

この耳は聞きたいことだけを与えてはくれないと知っていた

部屋の扉の向こうでも僕をあまく呼ぶ声がする






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