白いロザリオ/
Lucy.M.千鶴
乙女は 神を 信じている。
けれども
乙女に ロザリオをくれるひとも
買う お金もありません。
教会へ向かう 夏の暑い日
乙女は 道ばたに
白いロザリオのような花
どくだみの花を みつけました。
乙女は そっと 手を伸ばしましたが
手折ることはせづ、
しずかに、 ただ 静かに 瞳を閉じて
胸に 花の姿を 焼き付けました。
乙女の胸に 白いロザリオ
白い夏の
ある日のことでした。
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