さよならの夏/
玉兎
さよならが苦手
時間は僕よりも早く
通り過ぎる
君がいた夏は
はしゃぎすぎて
こんな風に泣くなんて
思いもよらなかった
毎日が
ずっと重なってゆくのかと
思っていた
ガラスをとおして
ゆがんだ
笑顔が
痛い
どうして
なかずにいられるだろう
ひとりの夜は
思い出ばかり
抱きしめてしまって
声にならない
想いが飛ばされてゆく
小刻みに抽出する痛みに耐えかねて
どうか
言葉になりますように
どうか
伝わりますように
ずっと
ずっと
大好きでした
戻る
編
削
Point
(2)