ひとり暮し/こしごえ
ふらふらり ふらり
ひとつひとつ ひとつ(
降り落ち流れた志向性
この声が震えていった
雨音
ひとり)聞いている影
水の歴史
にそう
人の歴史
命 繰り返す
この話は、そう
これでお仕舞
帰る必要があるのか
ところで
帰る場所は?
流れ続けるということ
ひっそりと静かな家に
足を踏み入れ
海の月が満ち欠ける
どこかで雨が止み
いずれ雨が止み
水溜りを飛びこえる影が口遊(くちずさ)み
舟の影が
朝日に浮かぶころ
わたくしの底までも渇くだろうが
冷蔵庫では
いつかの魚が、泳いでいる目差で
こちらを見つめていた
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