水芭蕉の相対性/知風
 
うす絹の雨の向こうで

君はほのあおい街燈を見上げながら

卵色につめたく熱せられたそれを

死にそうなけもののように銀鼠色に湿るそれを

ナイロンでつつんだ胸もとに抱えて立ち

われの傍らを過ぎていった刹那

光がわずかに糸をひいた

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