夏の訪れ/
けんご
雨粒に濡れる蜘蛛の巣
行き交う車のワイパーは
静かに動いている
食べ残しのとうもろこしを卓に見
私は夏の訪れにについて
思いを巡らす
齢を重ねても
全く同じ夏は来ない
ただその新しさなりが
弱いんだな
老いていくのは淋しい
それでも
扉が開かれる度に
新しい光景が私を待っているはずだ
目を凝らし
耳を澄ますんだな
詩の神様が居るとしたら
見せて欲しい
まだ見ぬ
輝かしい季節と
口づけしたくなるような
野の花々を
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