ニュクス\ヒュプノス\タナトス/マッドビースト
と
青い鳥は上空を旋回し
新しい世界を見定めようとしていた
世界はキレイだった
言葉はない
言葉などいらない
表現などいらない
感じるものなどいない
動くものは数少ない役者として
世界の一部を美しく演じた
世界が世界を愛した
空はまだ原始のまま地上に寄り添ってきたようだった
かーーーん
かーーーーん
かーーーーーん
点滅する大きな赤い目玉と
縞模様の長い腕の魔物が叫んだ
続いてあまりに唐突に
まったくこの世界にそぐわない異質さで
カラフルなスチールの列車が世界を引き裂いた
かーーーーーん
かーーーーん
かーーーん
・・・・
・・
・
世界は終わってしまった
カラスは瞳から知性の色を消しまたごみ山をつつきだした
青い鳥が微かに残った夜を急いで吸い込んでまだ暗い空の方へ飛んでいってしまった
私は背広を着て歩いた
世界は終わってしまった
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