ニュクス\ヒュプノス\タナトス/マッドビースト
青いきらきらした羽毛の
美しい鳥が
朝焼けの中を飛んでいた
光はまだ世界に行き渡っていなくて
冷えた雲が灰色に固まったままオレンジに照らされ
荘厳に渦巻いている空
地上では
カラスが大きなくちばしを器用に使って
ファーストフードの袋を引き裂いている
もうお互いに言葉が分からないのだが
親戚であることは分るようだった
世界はまだ眠っていた
文明は去ったのだ
世界は新しい所有者を探している
人工の建物や道路は
不器用な新しい自然となって名づけられるのを待っている
ファーストフードの袋をやっつけたカラスが
2,3歩跳ねて進んだ
ここは私の領土だと
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