うまくいかない/クリ
 


ライオンのかかとのにおいを嗅いでみたとして
どんなはばかりが河岸段丘に色づくのだろうね
人はみんな違っているから素晴らしいと言うが
僕だけが愛してもらえない夜は素晴らしくない
みんながみんなが僕だけが僕だけがライオンと
使うたびに少しずつ壊れていく使用禁止の準星
跨がってのそれはこのうえなく突き上がる脈々
うまくいかないと思うとうまくいかないもんだ
変えられないたったひとつの過去と無限の未来
無限に選べる過去と決定しているひとつの未来
そのうちどちらかを選べと言われたらどうする
僕の鮮明な手形の傍らに君の手形のキルリアン
僕の灰白質をインディゴに染める残像は仄かに
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