春なんだったらラッタター/人間
 
絶え笑むに罠、光った固まった私。
遠くの方、アンタの向こう、影転がし虫通り過ぎってった音がする。
「あ、上、意のまま」
漆塗りの太陽抱くアンタ、今に乾いて光る記憶に映る空の罠。
目の前に伸びる一筋の花。
か細いスマイルラインを見つつ、漏れた自嘲気味の虹だった私は見たラッタター。
感電した雨垂れに出来た轍、その上を這うのはカタツムリだけだ、
花のような炎、その先端に寂しく突き刺さったたった一枚の風景画に迷ったアンタ、
私はネガでも舞い上がる、だから、花に時間が背もたれる、飛び散った季節の粉が舞う、
灰が光に降り積もってからでもいいから、また舐めればいいんだ心配すんな。
肩は裂けて冷たくなる、そのまま朝になる。
「あ、上、意のまま」
穴に暁が絡ったまま血迷い花だったら幸福だラッタター。
一足先の私が持つ白い虹噛んでアンタ、
無欲の影でも垂れたてきたら完全に春なんだラッタター。
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