Cry For The Moon 3「感想、あるいはあなたが大好きです」/佐々宝砂
 
私は無類の本好きだが、これまで著者にファンレターを出したのは、2度だけだ。1度目は小学生のときアストリッド・リンドグレーンに。2度目は、高校生のとき栗本薫に。で、実を言えばナイショの3度目があって、それはネット詩人(便宜上こう呼ぶ)の誰かサンに送られた。そのひとの書くものが、クズであろうと駄作であろうと「みんな好き!」と思ったときに、私はファンレターを書きたくなる。そういうことは、ほんと滅多にないんだけれども。

感想は、おおむね自然な反応として心に生まれる。必要だとか不要だとかに関係なく、ただ生まれてくる。感想は、書いてもいいし、書かなくてもいい。そういう意味で、感想ってのは気楽なもんだ。無
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