LAST_WEEKEND/吉岡孝次
 
続編が読みたかった ということなのだろう。
程良く重い布団に 未明に
新装された三姉妹の表紙を
しあわせな気持ちで眺めかえす夢を見ていた。

「ラストウィークエンド」・・・
駅ビルの書店で手にしたのは
日本語まじりの ありきたりのタイトルだったが
叶えられたのは まさに十余年を経た週末だった。
僕が もう若くはなくなったように
飾り気のないヒロインにも
寡黙な息子の成長と同じだけの時間が流れていた。
美しく育った姪は
一人で生きていく心細さを知った。もう子供ではなく
自分たちでやっていこう、と二人とも思っていた。
彼らに振り返る過去はなく
少女たちも
週明けを待つ大人になっていた。


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