雪だるま/虹波
 
それは僕の幼い頃の話
言っておくけど実話だ


とある雪の降りしきる一日
冴えない平屋に住んでいた頃の出来事
こたつにくるまって遊んでいたら
僕は母に叱られた
理由は分からない

僕は何故怒られなくてはならないのか
幼いながらにその理不尽さに嘆きつつ
狐につままれたようにきょとんとしていると
唐突にベランダの外に追い出された
「反省するまで入ってくるな」

外は花びらのような平らな雪の塵が舞うも
外気は思ったよりも凍てついていなかった
僕の家の庭が白く塗りつぶされていく
僕は簀の子でできた縁側に足を投げて座り
少しだけしょんぼりとして
後は無心に塵の行方を
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