Across The Water/クリ
芝生の上のような キップルいっぱいの仄暗い室内のような
エッチングのごとき輪郭となり 紗の薄さに 別れを口にできず
フレーズが頭の中でチリチリとスパークし続ける
とても残酷に朝陽がのぼる
カタツムリのように無慈悲に
デマゴークように幾何級数的に
甘く優しく
リンゴのかたまり 膨れ上がり
そして もの言えぬ親友たちと 濡れそぼち 褪せ
瞼 縫い合わされる幸運
しずくが海になるシーンを見ようとする
やって来るのは 一葉の小舟だろうか
Kuri, Kipple : 2006.07.01
戻る 編 削 Point(2)