たぶんピーチ味/Keico
君が飲んでる紙パックのジュース
一口もらったら
甘くて溶けそうだった
空になった紙パックのとりあい
私が捨てるから
なんて
ずっと喧嘩していれば良かった
それで良かったのに
雨粒の数ほど時間はあった
水溜まりに太陽がうつった頃
ようやく気付いたの
コンクリートの染みは消えてく
忘れないと決めて
こうして書き留めても
君も私も世界も進んでく
頭の端から波が押し寄せる
記憶がブルーに染まる
そして私はあの時の
甘い甘いジュースを
なにも感じず飲み干す
コンビニの前で
何も思い出せず
飲み干す
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