目覚め/まほし
空が欲しい・・・・って
ずっと想ってた
薄暗い部屋に
頑なに独りいる時も
さらに殻にこもって
傷ついた翼を
縫いつくろっている時も
空 空 空
歌うように
腹の底から求めてた
血でさびた針
いらなかった
羽毛をしばる糸
ほどきたかった
でも本当は
不自由な空想に
囚われなくてもよかった
大空はいつでも
外にあるから
天をつらぬく光は
誰のものでもない
私が誰のものでもないように
そう気付いた瞬間
殻が割れて
何かが目覚めた
今
夜が明ける
心の窓が開く
目の前には朝日
そして
有限の中の無限の広がり
ようやく
飛び立つ自信が持てる
戻る 編 削 Point(14)