週刊ジョック/瓜田タカヤ
 
な意味でも、冷たく冷たく耐え切れないかも知れぬ寒さを
温めてくれる足しにでもなれば、また来年の春まで精神を維持できる妄想を
継続していられるからではなかろうか。

寒冷地。今日もごうごうと唸る風の音が
死体の声となってイタコらの唇に
積みあがるはずの無い言葉の炎を灯すのだ。

死者の傍らには週刊ジョック

まぶしい希望は残酷だ。

妊婦が言った。

胎児の傍らには
股間と眼球がくりぬかれたアイドルの水着ポスター
黄色く眩しい
シャーベット状の雪
濡れた 週刊ジョック


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