束の間/中村猫彦
 
二時間くらいだったら

僕だってがんばれると思って

書を捨てて

(私が書を捨てたとき
 向かいの道に黒い帽子を被った男がいた)

町に出て

(帽子の下には真っ白い顔があって 
 足元は真っ黒の靴が光っていた)

愛を見つける

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