プラネタリウム/蒸発王
正式な演劇用語なのか知らないが、
私の属している演劇集団では『プラネタリウム』という言葉がある。
『プラネタリウム』
劇中で一番事故が起こりやすいのが暗転中だ。
劇の始まりや、場面の切り替え、劇の終わりには必ずと言って良いほど、全ての照明を落として客席から沢山の役者が登場・退場するのを見せないようにする。
そして、この暗転というのは本当に真っ暗なのだ。
ただでさえ舞台裏は狭いし、はけ口はもちろん舞台上のどこに大道具小道具があるのかも見えない。慣れないうちは平衡感覚も失うほどの闇なのである。
そんな暗転の中で、役者は舞台裏からの出ハケをこなさなくてはいけない。
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