一つ、予言をしてみる。/腰抜け若鶏
 
私は英米文学を専攻する少し特異な大学生である。
そして私は運命の女神の存在を信じている。

だからシェークスピアが好きだ。
シェークスピアは私よりもずっと運命の女神に詳しい。作品を一目見れば分かる。
彼は運命の女神をthe fortuneと呼び、彼女の人形達をfotune's fool、そしてその人形達に与えられたシナリオをthe wheel of fortuneと呼んでいた。
すべての人間はこの運命の女神の手の上で踊る役者だ。
たとえば私だったら「腰抜け若鶏」という名前の役。そのシナリオは全部運命の車輪に巻かれていて、それを少しずつ解き、定められたことを実現していく。

この世
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