光根/葉leaf
で動けなくなった。僕は遍在する抵抗として魚たちの爆発を妨げたが、君が僕の背中で泳ぐのを妨げることはできなかった。やがて僕は海を排泄した。
朝を解体してできた磁力の平原には君の塊が降り注ぐ。君の呼吸が林の中から発掘されるとき、八番目の君に囁きかける音波がある。僕の体をひろげている白磁の球体から君は生まれ出る。するどく滴下する君の落影からさらに君は生まれ出る。いつしか君が僕になるまで。
君と僕との距離はたえず変形している。君と僕とを通過する水の管があり、僕は君へと名のない元素を送り込む。やがて距離が菱形へと落ち着くと、君と僕との間には光が細やかに根を張ってゆく。僕らはいつしかその根に侵されて、共通の悪を試みるようになる。
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