小説家の才能について考える。/腰抜け若鶏
この世界には才能と呼ばれるものが存在する。
その行為に適した体、または脳の作りが才能の正体である。
例えばプロ野球選手の場合。
常人なら飛んできたボールを脳で分析し、
次の行動を脳で判断してから指令を体に伝えバットを振る。
しかしプロ野球選手は脳で分析すると、
次の瞬間にはバットを振っている。
脳で判断するという行動を省略して、
日頃の練習していた動作を条件反射でとるらしい。
小説という娯楽はごく一部の、
限られた才能を持つ人のためだけのものだった。
「透き通るような瑠璃色の小川が」と書かれていれば、
本当に小川のせせらぎが聞こえてしまうような幻覚症状。
小説
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