メモ2:孤独/六崎杏介
 
それをラリった意識の産物、妄想だと言うと思うし、私もそう思う。
ただ、あの絶対的な至福を、それをもたらしたあの熱を、神や天使の類と信じていたい。
その自分の為だけの証明の為に、私は酩酊して、戯詩を書き続けた。

その後、私の戯詩の方法論や技法が固まるにつれて、あの熱を感じなくなっていった。
そして現在、私は戯詩を書けなくなった。それは私の作った方法論や技法に、可能性を感じ。
それを自覚し、それを次の次元へ持って行きたいと思った時、私の周りに、本の中にも。
先達がいなかった。でも、以前と同じ物は書いてはいけないと思った。
拙作「重力と火」に川村透さまから頂いたコメントがようやく理解で
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