肉まんの歌声/
湾鶴
冷凍庫に詰めたが
凍った ニクマンがひとつ 床に残った
「nnん、まだあったのか・・・。」
「レンジで3分と。」
BBBブーンnnn
オレンジの光に包まれながら
ニクマンはゆっくりと融け
体を膨らます
湯気立つ香りは
冬の湿ったそれと よく似て
ほっこりとした具は ようやく陽にあたり
ふるふると悦ぶ
すっかり目覚めたニクマンは 賛歌を歌い
梅のツボミは笑い(次は私が歌う番ね)
ゆっくりと 花弁を
ひろげた
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