神さま!仏さま!ぎょんでさま!/土田
 
を刺激されながらばかみたいに雪中を漕いでゆく
なんでだろう
いままで何一つ願いを叶えてもらった覚えはないし
「神さま!仏さま!」なんていう類の神頼みは
猛烈に腹を下してインドカリーみたいな下痢が治まってくれるまでの一時の気休めに過ぎなかったし
おれは誰かが下痢の話しをしたからって食おうとしていたインドカレーを食えなくなったなんていうそんなやわな男ではないし
どうせそんなもんだろと思いながらも小さい頃から毎年行ってるせいか
鮭がセックスしたさに産まれた川に戻るように
犬がねこまんま紛いのメシ食いたさに飼い主のところに戻るように
おれもけっして叶わぬ願い叶えたさに元旦にぎょんでさまの
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