神さま!仏さま!ぎょんでさま!/土田
凍みついた窓から囀るしずかな銀雪の寝息を背に四時の鐘
昨夜空けた日本酒の一升瓶が部屋中をつんと満たしてゆく
おれは車で四十分かかるところに最近できたユニクロの開店セールで
おふくろが買ってきた上下合わせて五百円の寝巻きの上に
学校指定のまっきっきならぬおっおっおのオレンジのジャージを重ね着し
数ある中じいさんから選んでもらった自慢の丈の短い長クツを履き
おやじと一緒に軽トラックに乗り込んだ
元旦にはいつもぎょんでさまに会いにゆく
除雪されてない山道をえっさこら、えっさこらと
十一月の中旬から虎視眈々とおれの股間を狙い澄ましていたかのように計算しつくされた積雪に
常に股間を刺
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