詩人は七尾へ旅をする/七尾きよし
 
能登半島いなかまち
まちの中心ながれるみそぎ川
昼間も夜間もあたりはガラガラで
ときどき橋ゆく背中が
シュールに映る

郊外店にぎやかなれど
夜になればまちなか赤提灯
海女が干物を炉端焼
いしるの大根鍋は
一度食べたら忘れない

まちのお寺で月イチ
オープンマイク
七尾はよいまち詩のまちと
とぼけ顔に言い出す
若坊主

旅する詩人よ
寄っといで
まいもんたらふくたべながら
あなたのうたを七尾に
ひびかせて





※いしる・・・魚醤 まいもん・・・うまいもの
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