六月/
シホ
曇天をかぶって
つらつら歩く
濡れたアスファルトの
匂いに包まれて
暗澹たる世界の
ぐらぐらたぎる地
触れたあしさきの
熱く勢いのある
汗ばむ肌に
風のかがやき
麦秋の黄金色の波がしら
足踏みははだし
細胞のさざめき
郷愁も頭蓋のうらの波がしら
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