回転扉/仲本いすら
 
僕は、あの回転扉ってもんがどうにも恐ろしくて
どうしても、ヤツがいるビルなどには近寄れないのだ。

まるで悪魔。
まるで魔物。
まるで化け物。

いや、さすがに言いすぎなのかもしれないが、どうしても恐怖を覚えてしまう。
(特に、なにかの障害を持っているわけでもなく、あくまで表現として)

一度入ったら、どんなタイミングで、どんな速度で、どんな歩き方で外に出たらいいのか
わからなくなるのだ。
六本木なんかに行くと、こんな僕の考えとは裏腹にひょいひょいとドアを攻略していく人たちがたくさんいる。
そんな人たちがうらやましく、そしてまた、恐怖も覚える。


回転扉というのは
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