いっその事、嫌いになってくれればいいのに。/仲本いすら
いっその事、嫌いになってくれたらいいのに。
なぁんて言葉は
卑怯だと思う。
いつも、俺が詩を書くたびに
その詩たちに嫉妬して
わたしも、詩になれたらいいのに。
だなんて
拗ねていた。
そんな姿も
心から好きだったんだよ
きっと。
いっその事、嫌いになってくれたらいいのに。
別れ際にそんな
手榴弾、渡されても
もう、どこかに投げることなんて
できないのにね。
後は爆発して
僕と砕け散って
それで、
妄想に変わっていったら
いいな、と思う。
いっその事、全部嘘ならいいのに。
誰かの優しさも。
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