鏡/天野 碧
プルトニウムに 蟻んこが
たくさん つながっています
わたしは
K氏に せかされて
夢の中でも
詩を ひねっている
魔女狩りパフォーマンスは
もういいかげんにしたらいいのに
世界は草刈場に
なっているじゃない
灯台守も
こんなに
労働しているのに
夢の中で
もがいて
言葉を紙に書いてから
どこか行間に
十字架を入れなければならないのに
何度ペンでなぞっても
うまく十字架にならなくて
目が覚めた
あの人と
もう口づけできない
あなたは
携帯電話機が
お出掛けの前の化粧のための
鏡になることを
知らなかった
戻る 編 削 Point(7)